ゾレア 製品について 適正使用

臨床試験で認められた副作用

発現状況


第Ⅲ相国際共同検証試験(E2306試験)における副作用発現率はゾレア300mg群で9.6%(7/73例)、ゾレア150mg群で8.5%(6/71例)、プラセボ群で12.2%(9/74例)でした。いずれかの投与群で2例以上に発現した副作用は、ゾレア300mg群の頭痛2例(2.7%)でした。
重篤な有害事象はゾレア300mg群で4.1%(3/73例)、ゾレア150mg群で4.2%(3/71例)でした。内訳は、ゾレア300mg群では肺炎、慢性胆嚢炎、糖尿病、ゾレア150mg群では四肢外傷性切断、脊髄損傷、肺炎及び喘息でした。
また、投与中止に至った有害事象はゾレア150mg群で1.4%(1/71例、咽頭浮腫)であり、死亡例は報告されませんでした。

 

社内資料:特発性の慢性蕁麻疹患者を対象とした国際共同検証試験(E2306試験)(2017年3月24日承認、CTD2.7.6-4.1.1)(承認時評価資料)〔20170085〕
Hide, M. et al.: J Dermatol Sci. 2017; 87(1): 70-78〔20170808〕
本試験にノバルティスは資金提供を行いました。本論文の著者にノバルティスより講演料/コンサルタント料を受領している者が含まれます。
著者にノバルティスとアドバイザリー契約をしている者が含まれます。著者のうち4名は、ノバルティスの社員です。

重大な副作用:ショック、アナフィラキシー

 

  • 気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下、失神、蕁麻疹、舌浮腫、口唇浮腫、咽・喉頭浮腫等があらわれることがある。
  • 投与後2時間以内に発現することが多いが、2時間以上経過してから発現することもある。
  • 長期間の定期的投与後においても発現することがある。

気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下、失神、蕁麻疹、舌浮腫、口唇浮腫、咽・喉頭浮腫等があらわれることがあります。本剤投与後2時間以内に発現することが多いですが、2時間以上経過してから発現することもあります。また、長期間の定期的投与後においても発現することがあります。

ゾレア電子添文 2025年1月改訂(第6版)

一般的な定義(『アナフィラキシーガイドライン2022』の定義)

 

アナフィラキシーは重篤な全身性の過敏反応であり、通常は急速に発現し、死に至ることもある。重症のアナフィラキシーは、致死的になり得る気道・呼吸・循環器症状により特徴づけられるが、典型的な皮膚症状や循環性ショックを伴わない場合もある。
 

■診断基準


以下の2つの基準のいずれかを満たす場合、アナフィラキシーである可能性が非常に高い。

1. 皮膚、粘膜、またはその両方の症状(全身性の蕁麻疹、瘙痒または紅潮、口唇・舌・口蓋垂の腫脹など)が急速に(数分~数時間で)発症した場合。さらに、少なくとも次の1つを伴う
A.気道/呼吸:重度の呼吸器症状(呼吸困難、呼気性喘鳴・気管支攣縮、吸気性喘鳴、PEF低下、低酸素血症など)
B.循環器:血圧低下または臓器不全に伴う症状(筋緊張低下[虚脱]、失神、失禁など)
C.その他:重度の消化器症状(重度の痙攣性腹痛、反復性嘔吐など[特に食物以外のアレルゲンへの曝露後])
2. 典型的な皮膚症状を伴わなくても、当該患者にとって既知のアレルゲンまたはアレルゲンの可能性がきわめて高いものに曝露された後、血圧低下または気管支攣縮または喉頭症状#が急速に(数分~数時間で)発症した場合。
乳幼児・小児:収縮期血圧が低い(年齢別の値との比較)、または30%を超える収縮期血圧の低下
成人:収縮期血圧が90mmHg未満、または本人のベースライン値に比べて30%を超える収縮期血圧の低下

*血圧低下は、本人のベースライン値に比べて30%を超える収縮期血圧の低下がみられる場合、または以下の場合と定義する。
 i 乳児および10歳以下の小児:収縮期血圧が(70+[2×年齢(歳)])mmHg未満
 ii 成人:収縮期血圧が90mmHg未満
#喉頭症状:吸気性喘鳴、変声、嚥下痛など。
PEF(ピークフロー):最大呼気流量
 

日本アレルギー学会 監修.アナフィラキシーガイドライン2022 第1版.
 

本剤の臨床試験における発現状況


国内臨床試験において、アナフィラキシーは報告されていませんが、気管支喘息患者を対象とした海外臨床試験において報告されており、発現頻度は成人で0.1%(7例/5,367例)、小児で0.2%(1例/624例)でした。また、海外市販後の自発報告において、アナフィラキシー及びアナフィラキシーの可能性のある過敏症反応の発現頻度は、少なくとも0.2%と推定され、そのうち約30%は本剤投与2時間以降に発現していました。

 

ゾレア電子添文 2025年1月改訂(第6版)

 

なお、ショック、アナフィラキシーに関しては、電子添文の「8. 重要な基本的注意」、「11.1 重大な副作用」、「15. その他の注意」に記載されています。

 

 

特発性の慢性蕁麻疹