ベオビュ 増殖糖尿病網膜症(PDR)

日本人を含む国際共同第Ⅲ相試験(CONDOR:D2301試験)23、24)

23)社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(D2301試験)[20250006] 承認時評価資料
24)社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(D2301試験)[20250145] 承認時評価資料

試験方法

目的

54週の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量に関して、ベオビュ6mgの汎網膜光凝固(PRP)に対する非劣性を検証する。

試験対象

18歳以上で治療対象眼※1が増殖糖尿病網膜症※2による視力障害を有する患者689例(うち日本人患者は50例)

※1

  • 最高矯正視力がETDRS(early treatment diabetic retinopathy study)可読文字数34文字(Snellen指標20/200)以上
  • HbA1c値が12%以下の1型または2型糖尿病を合併
  • PRP治療歴がなく、VEGF阻害薬またはPRPによる治療が必要

※2

治験担当医師が標準的ないし広角のカラー眼底撮影及びフルオレセイン蛍光眼底造影を用いて存在を確認。
被験眼に中心窩を含む糖尿病黄斑浮腫の存在が認められると判断された場合は、対象から除外された。

試験デザイン

多施設共同単遮蔽無作為化並行群間比較試験(検証試験)

試験方法

患者をベオビュ6mg群またはPRP群のいずれかに1:1の比で無作為化し、ベオビュを硝子体内に投与またはPRPを実施した。
ベオビュ6mgは6週ごとに3回導入投与した後、維持投与として12週ごとに90週まで投与した。規定来院日に疾患活動性評価を行い、疾患活動性が認められた場合は6週ごとの投与も可能とし、48週以降は、疾患活動性評価に基づき、投与間隔を一度に6週ずつ、最大24週ごとまで延長、また12週ごと投与に戻すことも可能とした。
PRPは初回治療を1~4セッションに分けて12週時までに終了するよう実施した。その後必要な場合は、90週までに必要に応じ2~4セッションに分けて、追加実施可能とした。

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※3 疾患活動性の評価
  視力や網膜画像に基づき評価された。

主要評価項目

最高矯正視力スコア※4のベースラインからの変化量(54週)(検証的な解析項目)

主要な副次評価項目
  • 増殖糖尿病網膜症が認められない患者の割合(54週)(検証的な解析項目)
  • 中心窩を含む糖尿病黄斑浮腫※5が認められた患者の割合(54週まで)(検証的な解析項目)
その他の副次評価項目
  • 最高矯正視力スコア※4のベースラインからの変化量(96週)
  • 最高矯正視力スコア※4のベースラインからの変化量のAUC※6(6~54週及び6~96週)
  • ETDRS糖尿病網膜症重症度のベースラインからの変化量(2段階以上または3段階以上の改善及び悪化)(54週及び96週)
    [ ETDRS糖尿病網膜症重症度がベースラインから2段階以上改善した患者の割合(54週):検証的な解析項目]
  • 増殖糖尿病網膜症が認められない患者の割合(96週)
  • 糖尿病網膜症に伴う視力を脅かす合併症※7を発症した患者の割合(54週及び96週まで)
  • 中心窩を含む糖尿病黄斑浮腫※5が認められた患者の割合(96週まで)
探索的評価項目
  • PRPよりも硝子体内投与に選好性を示す患者の割合※8
  • 追加投与※9を要さず12週間隔投与を維持した患者の割合(54週)(ベオビュ群のみ)
  • 最終投与間隔18週及び24週の患者で疾患活動性※3が認められない患者の割合(ベオビュ群のみ)
  • 視力関連QOL:NEI VFQ-28R(National Eye Institute Vison Function Questionnaire-28-R)※10、25)スコアのベースラインからの変化量(54週及び96週)
  • 周辺視野のベースラインからの変化量(96週まで)

※4 ETDRS文字スコア(ETDRS視力検査表を用いて測定開始距離4mで評価)
※5 光干渉断層撮影画像の中心サブフィールド厚≧280μmと定義
※6 [(6~54週時までの最高矯正視力スコアの和)/(6~54週時までの有効な最高矯正視力スコアデータが得られた来院回数)]-(ベースラインの最高矯正視力スコア)で算出(6~54週)。6~96週についても同様の方法で算出
※7 ベースライン後のいずれかの時点で発症した中心窩に及ぶ糖尿病黄斑浮腫、網膜剥離、硝子体出血、血管新生緑内障、虹彩または前房隅角の血管新生、及び糖尿病網膜症合併症に対する硝子体切除術と定義
※8 両眼に疾患を有し、硝子体内投与及びPRPを各眼に受けた患者において、Patient Preference Questionnaireを用いた治療満足度評価で、一貫して硝子体内投与を好んだ患者の割合及び一貫してPRPを好んだ患者の割合
※9 予定された12週間隔投与の来院以外での投与と定義
※10 NEI VFQ-25の改訂版で、活動制限(19項目)と社会情緒的機能(9項目)により構成される

安全性評価項目

有害事象、眼科学的検査、臨床検査、バイタルサイン

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解析計画
主要評価項目

解析対象集団:

FAS(無作為化された患者のうち、治験治療を1回以上受けた患者)

解析方法:

投与群、ベースラインの糖尿病網膜症重症度区分(非増殖糖尿病網膜症、中等度以下の増殖糖尿病網膜症、高リスク以上の増殖糖尿病網膜症、分類不能)、年齢区分(55歳未満、55歳以上)、及び地域(米国及びカナダ、東アジア、その他)を因子とし、ベースラインの最高矯正視力スコアを共変量とした共分散分析(ANCOVA)を行い、群間差(ベオビュ・6mg群−PRP群)の両側95%信頼区間の下限値が非劣性マージンの−4文字より大きい場合に、PRP群に対するベオビュ・6mg群の非劣性が検証されることとした(有意水準は片側0.025)。欠測値はLOCF(last observation carried forward)法を適用し、欠測直前の実測値で補完した。ベースライン後の測定値がない患者ではベースライン値を用いた。
非劣性評価に用いたANCOVAで得られた群間差の95%信頼区間の下限値が0文字を超えた場合に、PRP群に対するベオビュ6mg群の優越性が検証されるものとした。
日本人/日本人以外を含む部分集団ごとに解析を行った。

多重性の調整:

全体の第I種の過誤率を片側0.025の水準に制御するため、主要評価項目の非劣性、主要評価項目及び副次評価項目の優越性の検定を以下に示す階層的手順で行った。検定は事前に設定された以下の1~5の順番で実施した。帰無仮説が棄却された場合に次の項目へ移ることができた。棄却されなかった場合は検定手順を終了することとした。
1. 最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量(54週)(主要評価項目、検証的な解析項目)について、PRP群に対するベオビュ6mg群の非劣性
2. 増殖糖尿病網膜症が認められない患者の割合(54週)(主要な副次評価項目、検証的な解析項目)について、PRP群に対するベオビュ6mg群の優越性
3. 最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量(54週)(主要評価項目、検証的な解析項目)について、PRP群に対するベオビュ6mg群の優越性
4. 中心窩を含む糖尿病黄斑浮腫が認められた患者の割合(54週まで)(主要な副次評価項目、検証的な解析項目)について、PRP群に対するベオビュ6mg群の優越性
5. ETDRS糖尿病網膜症重症度がベースラインから2段階以上改善した患者の割合(54週)(その他の副次評価項目、検証的な解析項目)について、PRP群に対するベオビュ6mg群の優越性

主要な副次評価項目

解析対象集団:

FAS(無作為化された患者のうち、治験治療を1回以上受けた患者)

解析方法:

ベースラインの糖尿病網膜症重症度区分(非増殖糖尿病網膜症、中等度以下の増殖糖尿病網膜症、高リスク以上の増殖糖尿病網膜症、分類不能)、年齢区分(55歳未満、55歳以上)、及び地域(米国及びカナダ、東アジア、その他)を調整因子としたCochran-Mantel-Haensze(l CMH)検定で得られた片側p値が0.025より小さい場合に優越性が検証されることとした。

その他の副次評価項目

解析対象集団:

FAS(無作為化された患者のうち、治験治療を1回以上受けた患者)

解析方法:

ETDRS糖尿病網膜症重症度のベースラインからの変化量は、ETDRS糖尿病網膜症重症度が2段階以上または3段階以上の改善及び悪化した患者の割合(54週及び96週)を算出した。ETDRS糖尿病網膜症重症度がベースラインから2段階・以上改善した患者の割合(54週)については、ベースラインの糖尿病網膜症重症度区分(非増殖糖尿病網膜症、中等度以下の増殖糖尿病網膜症、高リスク以上の増殖糖尿病網膜症、分類不能)、年齢区分(55歳未満、55歳以上)、及び地域(米国及びカナダ、東アジア、その他)を調整因子としたCMH検定で得られた片側p値が0.025より小さい場合に優越性が検証されることとした。
増殖糖尿病網膜症が認められない患者の割合(96週)及び中心窩を含む糖尿病黄斑浮腫が認められた患者の割合(96週まで)については、主要な副次評価項目と同様の解析を行った。
糖尿病網膜症に伴う視力を脅かす合併症を発症した患者の割合(54週及び96週まで)は、糖尿病網膜症に伴う視力を脅かす合併症をベースライン後のいずれかの時点で発症した中心窩に及ぶ糖尿病黄斑浮腫、網膜剥離、硝子体出血、血管新生緑内障、虹彩または前房隅角の血管新生、及び糖尿病網膜症合併症に対する硝子体切除術と定義し、発症した患者の割合を算出した。

探索的評価項目

解析対象集団:

FAS(無作為化された患者のうち、治験治療を1回以上受けた患者)

解析方法:

PRPよりも硝子体内投与に選好性を示す患者の割合(一貫して硝子体内投与を好んだ患者の割合及び一貫してPRPを好んだ患者の割合)について、各割合の95%信頼区間をClopper-Pearson法を用いて算出した。
追加投与を要さず、12週間隔投与を維持した患者の割合(54週)(ベオビュ群のみ)については、ベオビュ6mgの投与を導入期で中止、または維持期の規定来院を実施しなかった患者は解析から除外した。
最終投与間隔18週及び24週の患者で疾患活動性が認められない患者の割合(ベオビュ群のみ)については、投与間隔の終了時点で疾患活動性が認められた場合、有効性または安全性の欠如により治療を中止した場合は、最後投与間隔を12週とし、ベオビュ6mgの投与を導入期で中止、または維持期の規定来院を実施しなかった患者は解析から除外した。
視力関連QOL:NEI VFQ-28Rスコアのベースラインからの変化量(54週及び96週)については、記述的に要約した。
周辺視野のベースラインからの変化量(96週まで)については、中央リーディングセンターの評価に基づく周辺視野の変化量の要約を示した。

日本において承認されたベオビュの用法及び用量(抜粋)
〈増殖糖尿病網膜症〉
ブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を6週ごとに1回、通常、連続3回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜増減する。その後の維持期においては、通常、12週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。

日本において承認されたベオビュの用法及び用量に関連する注意(抜粋)
〈効能共通〉
7.1 臨床試験においては、両眼治療は行われていない。両眼に治療対象となる病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること。なお、初回治療における両眼同日投与は避け、片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行うこと。

〈増殖糖尿病網膜症〉
7.4 導入期における投与回数については、疾患活動性の評価に基づいて3回未満とすることや、追加投与も考慮すること。また、維持期においては、定期的に疾患活動性を評価し、疾患活動性を示唆する所見が認められた場合は、投与間隔を8週とすること等を考慮すること。[電子添文17.1.5参照]
7.5 本剤投与後は定期的に眼底検査等を行い、硝子体出血、牽引性網膜剥離、増殖膜等の増殖糖尿病網膜症の病態悪化の徴候が認められた場合には、本剤投与継続の可否を検討するとともに、汎網膜光凝固、硝子体手術等の代替治療の実施を考慮すること。

患者背景及び治療対象眼の主なベースライン特性
 
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※ 中央リーディングセンターで評価された分類。
 被験眼に増殖糖尿病網膜症が存在すること及び中心窩を含む糖尿病黄斑浮腫が存在しないことを治験担当医師により確認された患者が本試験に登録された。

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