ゾメタ FAQ

製品FAQは医療に従事する先生方からよくご質問いただく内容をまとめたものです。記載している情報はあくまで参考情報としてお取り扱いいただき、医療上のご判断は医療従事者の裁量と責任のもとに行っていただきますようお願い致します。
製品のご使用にあたっては、最新の電子化された添付文書(電子添文)をご確認ください。製品に関してご不明な点がございましたら、弊社お問い合わせ窓口にお問い合わせください。

 

弊社製品の使用期限は専用ページでお調べいただけます。
薬価基準および各種コードはこちらをご確認ください。

1.特定の背景を有する患者

腎機能障害のある患者に対してゾメタを投与する場合、投与量の調節は必要ですか

悪性腫瘍による高カルシウム血症と多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変を有する患者では対応が異なります。

<悪性腫瘍による高カルシウム血症>
ゾメタの電子添文では、腎機能障害の程度に応じた減量規定はありません。
重篤な腎障害のある患者1)には、状態を観察しながら慎重に投与してください。腎機能が悪化するおそれがあります。悪性腫瘍による高カルシウム血症患者で血清クレアチニンが4.5mg/dL以上の患者での十分な使用経験がありません。

<多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変>
・ゾメタ点滴静注4mg/5mL2)
腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、下表のとおり投与量を調節する必要があります。

 

クレアチニンクリアランス(mL/分)

 

>60

50-60

40-49

30-39

推奨用量

4㎎

3.5㎎

3.3㎎

3.0㎎

 

・ゾメタ点滴静注4mg/100mL3)
腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて減量すること。減量にあたっては、下表に示した規定量をボトルから抜き取り新たに同量の日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)をボトルに加えて全量を100mLに調製する必要があります。

クレアチニンクリアランス(mL/分)

濃度調整のために抜き取り本剤の量(mL)

濃度調整のために加える日局整理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)の量(mL)

調整後の本剤の濃度
(㎎/100mL)

>60

調整不要

調整不要

4.0

50-60

12.0

12.0

3.5

40-49

18.0

18.0

3.3

30-39

25.0

25.0

3.0

 

重篤な腎障害のある患者1)には、状態を観察しながら慎重に投与してください。腎機能が悪化するおそれがあります。多発性骨髄腫及び固形癌骨転移患者で血清クレアチニンが3.0mg/dL以上の患者での十分な使用経験がありません。

 

 

(参考)

1)    ゾメタ4mg/5ml、4mg/100mL電子添文9.2.2

2)    ゾメタ4mg/5ml電子添文7.3

3)    ゾメタ4mg/100ml電子添文7.3

透析患者へのゾメタの投与方法を教えてください

ゾメタの電子添文では、透析患者への投与に関して規定していません。
ただし、臨床試験において透析患者は含まれておらず、有効性と安全性は確立していないため、透析患者に投与する場合には患者の状態を十分に観察してください。

ゾメタ点滴静注4mg/100mを腎機能に応じて減量する場合はどのようにすればいいでしょうか

減量が必要なのは多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変に投与する場合になります。

腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて減量してください。減量にあたっては、電子添文7.3に示した規定量をボトルから抜き取り、新たに同量の日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)をボトルに加えて全量を100mLに調製し、投与してください。
希釈液量の減量や投与時間の短縮は、腎障害のリスクや適正使用の観点から推奨しておりません。

 

 

(参考)

1)    ゾメタ4mg/100mL 電子添文 7.3

2.用法及び用量

ゾメタを高カルシウム血症で投与する場合、3回以上投与してもいいですか

ゾメタの電子添文には、投与の回数に関しての規定はございません。
高カルシウム血症を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験では、ゾメタを1回投与し、1週間以上経過しても改善が認められなかった場合に再投与が許容され、計2回までの投与しか認められない設定となっていました1)。そのため、電子添文には3回以上の投与の使用経験がないとの記述がされています1)
なお、市販後の使用成績調査では、3回以上投与されている例も確認できます2)

 

 

(参考)

1)    ゾメタ電子添文7.2

2)    ゾメタ使用成績調査(CZOL446DJP01,悪性腫瘍による高カルシウム血症)の最終集計結果(再審査終了)作成日2019年11月25日
https://www.pro.novartis.com/jp-ja/products/zometa/document

3.安全性

ゾメタと他のビスホスホネート製剤を併用することで有効性、安全性に影響がありますか

ゾメタの電子添文では、他のビスホネート製剤の併用に関して規定はございません。
ゾメタと他のビスホスホネート製剤との併用に対する影響を検討したデータはないため、併用を検討する際は、リスクとベネフィットを十分にご検討ください。

ゾメタによる顎骨壊死/顎骨骨髄炎の発現頻度と発現時期はどのくらいでしょうか

顎骨壊死/顎骨骨髄炎の発現頻度と発現時期については不明です1)

<参考データ>
・ゾメタ特定使用成績調査(CZOL446EJP03,多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変)での長期使用では、1377例中11件(0.80%)の発現が見られました2)
発現時期3)については、以下のとおりでした。
・1カ月未満:0件
・1カ月以上~3カ月未満:1件
・6カ月以上~12カ月未満:5件
・12カ月以上~2年未満:2件
・2年以上:0件
・不明:2件

 

 

(参考)

1)    ゾメタ電子添文11.1.5

2)    ゾメタインタビュフォーム 別紙6)

3)    ゾメタ特定使用成績調査(CZOL446EJP03,多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変)(作成日2019年11月25日)
https://www.pro.novartis.com/sites/pro_novartis_com_jp/files/2024-08/ts_zom_pms_chosa_mm_specific_20191125.pdf

ゾメタによる顎骨壊死・顎骨骨髄炎の機序・対処法はどのようなものがありますか

ゾメタを含む薬剤に関連する顎骨壊死・顎骨骨髄炎(MRONJ:Medicationrelated osteonecrosis/osteomyelitis of the jaws)の発症に関するメカニズムとしては、ビスホスホネートによる破骨細胞の活性化阻害に伴う骨のリモデリング阻害がMRONJの中心的な役割を果たすことが示されています。
さらに顎骨への炎症または感染がMRONJの発症ならびに進展に影響を与え、ビスホスホネートによる直接的な血管新生阻害作用に加え、骨吸収抑制薬と併用する血管新生阻害薬や抗悪性腫瘍薬などによる影響で骨への栄養供給が絶たれ、MRONJ発現を促す可能性が示唆されています。
また、MRONJの進展経路として、先述の如く骨吸収抑制薬によって、口腔内の感染病変が修飾され顎骨骨髄炎が誘発される他、感染を伴わずに無菌性・虚血性の顎骨壊死をきたす可能性が指摘されています1)

治療としては、ステージ1では保存的治療と外科的治療の両者を、ステージ2および3では外科的治療を推奨しているが、外科的治療の適応については患者の希望や全身状態等を考慮した上で決定すると報告されています1)

MRONJの治療

ステージ1
保存療法(抗菌性洗口液、洗浄、局所的抗菌薬の注入など)または外科的治療(壊死骨+周囲骨切除など)
ステージ2
保存的治療と外科的治療(壊死骨+周囲骨切除など)のいずれも適応されるが、外科的治療のほうが治癒率は高く、全身状態が許せば外科的治療を優先する患者の状態や希望等により外科的治療が選択されない場合は、保存的治療(抗菌性洗口液、洗浄、抗菌薬全身投与など)を行う
ステージ3
外科的治療(壊死骨+周囲骨切除、区域切除など)患者の状態や希望等により外科的治療が選択されない場合は、保存的治療を行う

 

 

(参考)

1)    厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル 口腔 薬剤関連顎骨壊死・顎骨骨髄炎(令和7年3月改訂)
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/adr-info/manuals-for-hc-pro/0001.html

侵襲的な歯科治療が必要な際、ゾメタの投与を休薬する期間を教えてください

侵襲的な歯科治療の際、ゾメタの休薬期間について明確に定められたものはありません。
また、抜歯以外の歯科口腔外科手術に際しての予防的休薬の是非に関しては不明です。
侵襲的な歯科治療の必要性と原疾患の状態を検討し、ゾメタの休薬が必要か否かをご判断ください。

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