パンくず
エンレスト FAQ(2026年6月作成)
製品FAQは医療に従事する先生方からよくご質問いただく内容をまとめたものです。記載している情報はあくまで参考情報としてお取り扱いいただき、医療上のご判断は医療従事者の裁量と責任のもとに行っていただきますようお願い致します。
製品のご使用にあたっては、最新の電子化された添付文書(電子添文)をご確認ください。製品に関してご不明な点がございましたら、弊社お問い合わせ窓口にお問い合わせください。
1.効能又は効果
エンレストの成人の適応症“慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る”に記載されている、”慢性心不全の標準的な治療”とは何をさしますか?
こちらの“慢性心不全の標準的な治療“とは、国内外のガイドライン等で推奨されている治療すべてではございません。
ただし、電子添文5.1の記載を遵守ください。
〈成人の慢性心不全〉1)
5.1 本剤は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬から切り替えて投与すること。
(参考)
1) エンレスト電子添文5.1
2.用法及び用量
アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)をエンレストに変更する場合、またはエンレストからACE阻害薬に変更する場合、36時間空けるのはなぜですか?
エンレストはACE阻害薬との併用により、相加的にブラジキニンの分解を抑制し、血管性浮腫のリスクを増加させる可能性があります。
そのため、ACE阻害薬を投与する場合は、少なくともエンレスト投与開始36時間前に中止してください。
エンレストの投与終了後にACE阻害薬を投与する場合は、エンレストの最終投与から36時間後までは投与しないでください。
(参考)
1) エンレスト電子添文 10.1
2) エンレスト電子添文 5.1
3) エンレスト電子添文 5.3
エンレストを、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)から切り替える場合、投与間隔に注意が必要ですか?
ARBから切り替えてエンレストを開始するときに、投与間隔をあける時間について規定はありません。
切り替える場合の投与間隔については、患者背景(血圧、腎機能、併用薬等)を踏まえ、医師の判断により個別にご対応ください。
(参考)
1) エンレスト電子添文 5.1
2) エンレスト電子添文 5.3
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)と併用してもいいですか?
ARBとは併用注意のため、患者の状態に配慮の上、最終的には医師のご判断で決定してください。
ただし、ARBとの併用によりレニン‐アンジオテンシン‐アルドステロン系阻害作用が増強される可能性があり、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、これらの薬剤と併用すべきではありません1)。
また、成人の慢性心不全で使用する場合、ACE阻害薬又はARBから切り替えることとしています2)。
(参考)
1) エンレスト電子添文 10.2
2) エンレスト電子添文 5.1
エンレスト錠は半錠に分割して投与してもいいですか?
【エンレスト錠100mg】
高血圧症への投与で1回50mgは承認外の用量となります。高血圧症に1回50mgで投与した際の有効性、安全性、薬物動態は確立していませんので、弊社からは推奨していません。
エンレスト錠100mgは、割ることを想定した割線入りフィルムコーティング錠として承認されています1)。また、錠50mgと生物学的同等性が確認されていることから、慢性心不全に錠50mgの代替として半錠で投与することができます。
【エンレスト錠50mg、200mg】
錠50mgの半錠分は25mgとなり、1回25mgは慢性心不全及び高血圧症いずれに対しても承認外の用量となります。1回25mgで投与した際の有効性、安全性、薬物動態は確立していませんので、弊社からは推奨していません。
また、錠50mgまたは錠200mgは割線がなく、割ることを想定した錠剤ではないため、分割して投与することは推奨していません。
また、エンレスト錠を一包化にて調剤された後、特に梅雨から夏の多湿の時期において、エンレスト錠の吸湿性によると考えられる事象(ひび割れや膨張)が報告されております。有効成分のサクビトリルバルサルタンナトリウム水和物は、相対湿度60%を超えると非常に吸湿性が高くなる2)ためご留意ください。
(参考)
1) エンレスト電子添文 3.2
2) エンレストインタビューフォーム Ⅲ-1. (3)
用量調節が困難な小児心不全患者に対し、錠剤を粉砕または簡易懸濁法で投与してもいいですか?
エンレスト錠を粉砕、または懸濁して投与することは、承認外の用法となります。粉砕または懸濁投与した際の有効性、安全性、薬物動態は確立していませんので、弊社からは推奨していません。
用量調節が困難な小児心不全患者に対しては、錠剤を粉砕した懸濁液に調製して投与することをご検討ください。
懸濁液の調製方法は適正使用ガイドをご参考ください1)。
(参考)
1) RMP資材(医療従事者向け):エンレスト適正使用ガイド エンレストを適正にご使用いただくために(慢性心不全)
エンレスト粒状錠服用時に混ぜてはいけない食べ物や飲み物はありますか?
エンレスト粒状錠は少量の飲み込みやすい食べ物(服用補助ゼリーやクラッシュゼリー/飲用ゼリー、果物・野菜ペースト、ヨーグルトなど)に混ぜて服用してください。
飲み合わせの悪いものは特にありません。温かいものでは溶けて苦味が出てしまいます。
取り出した粒状錠をそのまま水で服用することも可能です。カプセル型容器のまま服用しないよう注意し、中身の粒状錠だけを服用してください1)。
(参考)
1) RMP資材(患者向け):エンレスト®錠 粒状錠小児用 はじめてガイド〔小児用〕(慢性心不全)
飲み忘れた場合はどうしたらよいですか?
飲み忘れた場合は、気がついた時に1回分を飲んでください。ただし、次の通常飲む時間が近い場合は、忘れた分は飲まないで1回分を飛ばしてください。2回分を一度に飲んではいけません1)。
(参考)
1) エンレスト患者向医薬品ガイド
3.特定の背景を有する患者
腎機能障害患者または透析患者に投与する場合に注意することはありますか?
エンレストを腎機能障害患者や透析中の患者に投与する場合は、腎機能の程度に応じた注意が必要です。
腎機能障害のある患者では、エンレストの血中濃度が上昇するおそれがあり、また血圧、腎機能、および血清カリウム値などに注意が必要です。そのため、患者の状態を十分に観察しながら、投与の可否や用量について慎重に判断する必要があります。観察項目や用量については、適応症ごとに注意事項を示しています。
【慢性心不全】
軽度又は中等度の腎機能障害(eGFR 30~90 mL/min/1.73m2未満)のある患者では、血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察しながら投与してください。エンレストの血中濃度が上昇するおそれがあります1)。
重度の腎機能障害(eGFR 30 mL/min/1.73m2未満)のある患者では、エンレスト投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察してください。エンレストの血中濃度が上昇するおそれがあり、臨床試験では除外されています2)。
【高血圧症】
軽度又は中等度の腎機能障害(eGFR 30~ 90mL/min/1.73m2未満)のある患者では、血清カリウム値及び腎機能等、患者の状態を十分に観察しながら投与してください。エンレストの血中濃度が上昇するおそれがあります3)。
重度の腎機能障害(eGFR 30 mL/min/1.73m2未満)のある患者では、投与の可否を慎重に判断し、投与する場合は血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察してください。低用量から開始することを考慮してください。本剤の血中濃度が上昇するおそれがあります4)。
血液透析中の患者についても、投与の可否を慎重に判断し、投与する場合は、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察してください。低用量から開始し、増量する場合は徐々に行ってください。エンレストの血中濃度が上昇するおそれや、急激な血圧低下(失神及び意識消失を伴う)を起こすおそれがあり、臨床試験では除外されています5)。
(参考)
1) エンレスト電子添文 9.2.1
2) エンレスト電子添文 9.2.2
3) エンレスト電子添文 9.2.3
4) エンレスト電子添文 9.2.4
5) エンレスト電子添文 9.2.5
高齢者に投与する場合に注意することはありますか?
一般的に高齢者では過度な降圧に注意する必要があることから、適応症ごとに注意喚起をしています
【慢性心不全】
血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察しながら投与してください。特に投与開始時及び増量時は患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。一般に過度の降圧は脳梗塞等が起こるおそれがあり、好ましくないとされています。臨床試験において、高齢者では、低血圧、高カリウム血症、腎機能障害の発現が増加することが報告されています1)。
【高血圧症】
低用量から投与を開始するなど慎重に投与してください。一般に過度の降圧は脳梗塞等が起こるおそれがあり、好ましくないとされています2) 。
(参考)
1) エンレスト電子添文 9.8.1
2) エンレスト電子添文 9.8.2
4.安全性
エンレスト投与中に低血圧が発現した場合の対応を教えてください。
低血圧が発現した場合には、併用している利尿薬及び降圧薬の用量を調節する等適切な処置を行ってください。処置後も低血圧が持続する場合は、エンレストを減量又は一時中断してください1,2)。
なお、本剤の過量投与により、著しい血圧低下が生じる恐れがあります。
エンレスト電子添文に以下の記載があります3)。
13. 過量投与
13.1 症状
本剤の過量投与により、著しい血圧低下が生じ、意識レベルの低下、循環虚脱に至るおそれがある。
13.2 処置
著しい低血圧の場合には、患者を仰臥位にし、速やかに生理食塩液等の静脈注射など適切な処置を行うこと。なお、sacubitrilat及びバルサルタンは血漿蛋白との結合率が高く、血液透析によって除去できない。
(参考)
1) エンレスト適正使用ガイド 慢性心不全 有害事象に関する重要な情報①(低血圧)
2) エンレスト適正使用ガイド 高血圧症 有害事象に関する重要な情報① 低血圧
3) エンレスト電子添文 13
エンレスト投与中に血管性浮腫が発現した場合の対応を教えてください。
舌、声門、喉頭の腫脹等を症状として、気道閉塞につながる血管性浮腫があらわれることがあります。血管性浮腫が認められた場合には本剤の投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保等適切な処置を行ってください。血管性浮腫が消失してもエンレストは再投与しないでださい1、3、4)(血管性浮腫の既往歴のある患者に投与しないでください2-4))。
また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫があらわれることがあります1、3、4)。
(参考)
1) エンレスト電子添文 11.1.1
2) エンレスト電子添文 2.3
3) エンレスト適正使用ガイド 慢性心不全 有害事象に関する重要な情報④(血管性浮腫)
4) エンレスト適正使用ガイド 高血圧症 有害事象に関する重要な情報④ 血管性浮腫
粒状錠小児用のカプセル型容器を誤飲したときのリスクはありますか? 誤飲した場合の対応方法を教えてください。
投与対象となる小児は、カプセル型容器を飲み込めずに気道異物となって窒息の危険があります。
なお、エンレスト粒状錠に用いるカプセル型容器の材質は医薬品添加物としても使用されているヒプロメロース、酸化チタン、酸化鉄(31.25mgのみ)です1)。
患児がカプセル型容器を飲み込んだと思われた場合は経過を観察し、適宜対症療法を行ってください。
なお、臨床試験において誤飲した事例は特に報告されていません。
(参考)
1) エンレストインタビューフォーム IV-10(4)
5.製剤
エンレスト錠を一包化してもいいですか?
エンレスト錠を一包化にて調剤された後、特に梅雨から夏の多湿の時期において、 エンレスト錠の吸湿性によると考えられる事象(ひび割れや膨張)が報告されております。有効成分のサクビトリルバルサルタンナトリウム水和物は、相対湿度 60%を超えると非常に吸湿性が高くなる1)のでご留意ください。
なお、無包装(PTPから取り出した状態)での安定性の結果は以下の通りです。
- 無包装による光の条件下における安定性試験は50mg、100mg、200mgの各剤形で行っています。120万Lux・h、≧200W・h/m2で、性状、溶出性、類縁物質、含有量はそれぞれ規格内でした2)。
- 無包装による温湿度の条件下における安定性試験は100mg錠で25℃・60%RHの条件のみ検討を行っています。3ヵ月間の観察期間で、性状、類縁物質、溶出性、含量はそれぞれ規格内でした3)。50mg錠または200mg錠での安定性を検討したデータはありません。
(参考)
1) エンレストインタビューフォーム Ⅲ-1. (3)
2) エンレストインタビューフォーム Ⅳ-6.
3) エンレストインタビューフォーム ⅩⅢ-2.
エンレストを粉砕して投与してもいいですか?
エンレスト錠及びエンレスト粒状錠小児用を粉砕して投与することは、承認外の用法となります。粉砕投与した際の有効性、安全性、薬物動態は確立していませんので、弊社からは推奨していません。
また、エンレスト錠を一包化にて調剤された後、特に梅雨から夏の多湿の時期において、エンレスト錠の吸湿性によると考えられる事象(ひび割れや膨張)が報告されております。有効成分のサクビトリルバルサルタンナトリウム水和物は、相対湿度60%を超えると非常に吸湿性が高くなる1)のでご留意ください。
粉砕後の安定性については、弊社お問い合わせ窓口にお問い合わせください。
製品についてのお問い合わせ(ノバルティスダイレクト)
電話番号:0120-003-293(通話料無料)
受付時間:月~金 9:00~17:30 (祝日及び弊社休日を除く)
電話がご利用いただけない場合は、医療関係者の方専用 お問い合わせフォームをご利用ください。
(参考)
1) エンレストインタビューフォーム Ⅲ-1. (3)
エンレスト錠は簡易懸濁法で投与してもいいですか?
エンレスト錠を懸濁して投与することは、承認外の用法となります。懸濁投与した際の有効性、安全性、薬物動態は確立していませんので、弊社からは推奨していません。
簡易懸濁関連の安定性については、弊社お問い合わせ窓口にお問い合わせください。
製品についてのお問い合わせ(ノバルティスダイレクト)
電話番号: 0120-003-293 (通話料無料)
受付時間:月~金 9:00~17:30 (祝日及び弊社休日を除く)
電話がご利用いただけない場合は、医療関係者の方専用 お問い合わせフォームをご利用ください。
エンレスト粒状錠はカプセル型容器から取り出して一包化してもいいですか?
エンレスト粒状錠をカプセル型容器から取り出して一包化調剤することは避けてください。
本剤は粒状錠がカプセル型容器に入った状態でPTP包装されており、吸湿を避けるため服用直前にPTPシートから取り出すことを推奨しています1,2)。
PTPシートから取り出して調剤することは推奨していませんので3)、一包化など調剤時にあらかじめカプセル型容器から取り出すことは避けてください。
エンレスト粒状錠をカプセル型容器から取り出した後、粒状錠の安定性を検討したデータはありません。
(参考)
1) エンレスト適正使用ガイド エンレストを適正にご使用いただくために(慢性心不全)
2) エンレスト電子添文 14.2.2
3) エンレスト電子添文 14.1
小児心不全のために単シロップで調製した懸濁液は冷蔵庫で保存してもいいですか?
保存剤を含む懸濁液の場合、保存剤の効果が減弱すると推測されるため、冷蔵保存せず、直射日光の当たらない、比較的涼しい場所で保存してください1)。単シロップで調製した懸濁液の保存期間は15~25℃で7日間です。
(参考)
1) RMP資材(患者向け):エンレスト®錠 粒状錠小児用 はじめてガイド〔小児用〕(慢性心不全)